中古レコード、CDの買取や販売について、また日々の経営について、考えたこと、伝えたいこと、などいろいろ書いていきます。月に1~2回、更新していく予定です。
中古レコード店の、カスハラ事情。
更 新:2024-12-31
テーマ:中古レコード店の経営
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<目次>
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❶わたしのカスハラ目撃体験!
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❷若い店主は、クレームを受けやすい?
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❸中古店主の逆カスハラには、お客もビックリ。
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❹中古店主が、こんなに厚顔無恥なのは、なぜか?
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❺まとめ
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■古本屋でカスハラを目撃した!</span>
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わたしがまだ30代の頃、衝撃的なカスハラを古本屋で目撃したことがあった。そこは、80歳近いおばあさんが一人で細々とやっている、マンガ中心の小さな古本屋だ。札幌にブックオフができるまえで、当時はあちこちにこういう店がたくさんあった。
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わたしが店内でマンガの棚を見ていると、半袖のガラシャツを着た、30代後半と思われる、ちょっと品の悪そうな2人組の男が入ってきた。お目当ては漫画のセットものだったようで、棚から長いセットを2つほど取り出した。そして、奥からヨロヨロと出てきたおばあさん店主に「コレ、もっと安くならない?」と訊いた。個人営業の中古店の場合、お客がこう言ってくるのはとくにめずらしいことではない。
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ただ、問題はこの後だ。店主は即座に断ったが、男たちはタチが悪く、簡単には引き下がらなかった。おばあさんは必死に断るも「〇〇円でいいでしょ! ほらっ、ほらっ、」と、まるでイヌか何かに言ってるような口ぶりだ。再三断られてもしつこく食い下がり、押し問答が何度か続いた。そばで聞いていたわたしもさすがにイライラしてきた。何か言ってやろうかと思った矢先、ようやく諦めて帰ったのだった。
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当時「カスハラ」という言葉はなかったが、これはまさしくカスハラだ。弱い店主の場合、お客からこのような扱いを受ける可能性は十分ある。店主は強くなければいけないとつくづく思わされた。
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■わたしも若かったときは、お客に値引きを要求されたことはよくあった。</span>
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カスハラを受けやすい人の条件は、女性、高齢者、若年者、アルバイトなどの従業員全般。あとは、気の弱い人。こういう人はカスハラを受けやすい。私自身の経験としては、~40歳ぐらいまでは、値引きの要求はときどきあった。それが45歳過ぎたあたりからだろうか。不思議なことにこうしたことがピタッとなくなった。たぶん、お客と私の年齢が逆転したからだろうと思うが、よくはわからない。
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わたしの場合、先のおばあさんと決定的に違うのは、どうしても言うことを聞かないお客には、怒って怒鳴りつけたことだ。しつこく言われると我慢できなかったし、我慢すべきではないと考えていた。ただ誤解がないように言っておくと、わたしは普段はまったくの温厚な性格で、子供のころからケンカすることもほとんどなかったぐらいだ。だから、短気ではない。ところが、いったん仕事になるとガラッと変わるのである。店主である以上、店内のあらゆることはきちんとコントロールしていくべきである。たとえ相手がお客であっても、妥協するわけにはいかない。それが店主の責任だろうと思っている。
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■店主の逆カスハラにはお客もギックリ!</span>
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先のおばあさんのようなケースは、いまはもう見られなくなった。そんな弱い店主が、いまの厳しい時代に生きていける余地はないのだ。
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では、現在んの札幌の中古レコード店について言うと、カスハラなどまったく無関係だ。報道にあるような、お客が店の人を土下座させるなどは、想像することすらできない。中古レコード店は、お客が店主をハラスメントするのではなく、店主がお客をハラスメントする。まさに逆カスハラと言えるような状況がどうどうまかり通る、数少ない業界なのだ。
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なぜこうなのか。
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世間で言うカスハラの多くは、弱い末端の従業員に対するものだ。しかし、中古レコード店の店主は一国一城の主。右も左も分らない若いアルバイトとはわけが違う。嫌いなお客は出禁にすればいいだけで、わるくすると文句を言いに行ったお客を、反対に物凄い怒鳴り声で、コテンパンにやっつけてしまうことすらある。これでは、相手がトラウマになってしまう。こうして二度とその店の敷居を跨げなくなっているような人は、実際かなりの数にのぼる。
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実際、中古レコード店の店主の接客態度は、横柄なのが当たり前だ。典型的な例としてあげられるのは、販売したレコードを、キズや中身が違うなどの理由でお客が返品にくることがある。そういうときでも、「買うときにちゃんと確認しないほうが悪い」と言って取り合うことはない。ここでお客が文句を言うと、逆上され、大声で罵声を浴びせられるおそれがあることから、たいていはすごすごと引き返さざるを得ない。
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店主が横柄に見えるのは、次のような態度を取っているからだ。
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①何があっても、絶対に謝らない。取り合わない。
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➁お客が気に入らないことを言うと口撃する。頭にくると、怒鳴り散らす、またはテーブルを叩きながら怒る。
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➂普段からブスッと機嫌悪そうな顔をしている。嫌いなお客はにらむ。
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札幌でも、これにあてはまる有名店は何軒かある。もっともお客のほうも、わかっていれば、危険はない。
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■中古レコード店主は、なぜこんなに厚顔無恥なのか?</span>
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中古レコード店主など個人事業主という人種は、サラリーマンより面の皮が厚い。まあ、精神力が強いという言い方もできるだろう。ではなぜ、店主の精神力は強くなったのか、
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それは、店主は闘わなければいけない存在だからだ。自営業者と、サラリーマンは、生きる姿勢が全く違うのである。たとえて言えば、サラリーマンは、かごの中で飼育されている存在であり、闘う必要はない。サラリーマンでも闘う人は、かごの中で闘いながら、自分のポジションを作り出す。だが、実際には闘わない人の方がはるかに多い。カゴの中では、他者と協調できれば十分生きられるからだ。
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それに対し、自営業者である中古レコード業者は野性的だ。すべてのことを自分で考え、それを自分で実行し、その責任は自分で取ることを生きる基本としている。自分の身は自分で護ることも当たり前。自由で個性が発揮できるが、危険な目に遭いやすく、必要に応じて闘わなれば生きていけない。どんな逆境にあっても、しぶとく生きる知恵を持ち、ときには闘って活路を見出していく。自営業者がサラリーマンからみて、厚顔無恥に見えるのは、当たり前のことなのだ。とくに、創業オーナーの場合はその傾向が強い。(※店主といっても、二代目はサラリーマン的な性格を持っているので、一律ではない)
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■まとめ</span>
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繰り返しになるが、報道で知るカスハラは、気の弱い店員がお客からガミガミ言われ、挙句の果てに土下座させられた、というような内容が典型的だ。しかし、正直言うと、カスハラはダメだが、お客の怒りたい気持ちもわからないわけではない。実は私もいろいろなところでお客の立場になれば、怒りたいことは山ほどあるからだ。クレームを言って、コレ何とかしてくれ、と言ったとき、すぐに店員がパッパと融通を利かせて対応してくれれば何の問題もないのだが、大きな店の店員はほとんどが短期のバイトだで自分の裁量権もなく、マニュアル口調のロボットにすぎない。話していると、腹が立ってきてふざけるな!と言いたくなる。魂のない操り人形のような対応は人をバカにしてる。これでは、無礼者!と怒鳴られても仕方あるまい。
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次回以降の掲載予定!</span>
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※以上、順不同。月1~2回の更新です。</span>
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