中古レコード店店長の
経営ブログ

中古レコード、CDの買取や販売について、また日々の経営について、考えたこと、伝えたいこと、などいろいろ書いていきます。月に1~2回、更新していく予定です。

新しいラーメン屋は何故すぐに潰れるか。思い込みを排した、科学的経営のススメ。

更 新:2025-04-30
テーマ:中古レコード店の経営

❶その誤った思いこみが、致命的になるかも!

人は、勘違い、思い違いをする生き物だ。しかし、経営ではそれが命取りになる。レコード屋でもラーメン屋でも、経営不振に陥っているのは、店主の勝手な「思い込み」が原因になっている場合が多い。いや、ほとんど全部と言っても過言ではないだろう。そう言うと、ナ~ンだ。それなら、周囲の人がちゃんと教えてあげればいいだけじゃん!と思うかもしれない。私も、いままで何度もアドバイスしたり説得をしてみたりをしたこともあるが、そう簡単なことではない。店主が意外と頑固で厄介なのである。内なる敵というヤツだ。

経営不振の店主の言い訳は、「こんなはずじゃなかった」「もっと○○になると思った」などなど。何の根拠もない勝手な「思い込み」で店を始めた結果、こうした愚痴のオンパレードだ。結局、思い込みの中から脱出こともなく、何だかわからないまま、終焉を迎えることになる。これが典型的なダメ店主のパターンだ。

■人の来ないラーメン屋の、ダメな思い込みとは。

ラーメン屋の例で説明しよう。わたしの自宅近くに最近できた「生姜ラーメン」の店がある。すべてのメニューに生姜が入っているが、お世辞にもうまいとは言えず、お客は入っていない。だしが薄くて雑味があり、生姜だけがへんに強烈だ。生姜ラーメンといっても、ベースになるスープが不味いのだからどうしようもない。1年持つかどうかといったところか。

おそらく60代と思われるこの店主は、年齢から考えても繁盛店を目指しているわけではなさそうだ。近所のお客さんがそこそこ来てくれる普通の店でいいと思ったのだろう。だが現実はそんなに甘くない。この店主は最初から、大きな勘違いをしている。スタートしたら、もうこけている。なぜこうなったってしまったのか。おそらく、店主本人も気づいていないだろうが。

実は、ラーメン業界は飲食の中でも特に厳しい業界だ。勝ち組と負け組がはっきりしている。格差が大きく、勝ち組は儲かるが少数しかいない。繁盛店を目指してベストを尽くしても、思ったようにお客さんは来てくれない。ましてや、最初からまあまあ普通でいいなんて思っていたら、まったくお客さんが来ない店になってしまう。

ラーメン屋の「普通」というのは、繁盛店を目指して必死に頑張ったにもかかわらず、結果的に、競争に敗れて「普通」という評価になっただけのこと。つまり、繁盛店のなりそこないが「普通のラーメン屋」の正体なのだ。最初から普通を目指していたわけではない。
(※プロ野球の三冠王、落合博満は、全打席ホームランを狙うが、その打ち損ねが普通のヒットになる、と言っている)

次もよくある勘違い。それは、「心を込めて一所懸命作ったラーメンだから、必ずお客さんもわかってくれるに違いない」という勘違いだ。まったく何の根拠もない実に勝手な店主の思い込みだが、三ドラマの影響か、本気でそう思っている人も多く、困ってしまう。

さて、生姜ラーメンの近くに、A店という、うまいと評判の店がある。客観的に考えれば誰でもA店に軍配をあげるはず。だが、生姜の店主は「自分がこんなに心をこめて頑張っているのだから、負けるわけがない」と本気で信じている。思い込みというものはおそろしい。頑固で強力。こういう店主は、他人がいくら注意しても聞く耳を持つことはない。善意のアドバイスも何の役に立たない。たいてい、つぶれた後に少しは気づくが、後の祭りだ。

■ストーカーも思い込みだ! ところで、「ストーカー」なんかも、思い込みだ。自分がこんなに相手のことを考えてあげているのだから、話せばきっとわかってくれるに違いないと、固く信じている、善意のストーカーも多い。自分は善意だから、決してストーカーには当たらないと。もちろん、周りから見たらただのストーカー。善意もクソもない。

だが、こういう人は何も特別な人じゃない。ほとんどの人は「思い込み」に支配されている。そういう心理は、どんな人にもある。これを読んでいるあなたもそうだし、書いているわたしもそうかもしれない。チコちゃんじゃないが、ほとんどの人はボ~ッと生きているのだ。

❺個性を経営に組み込むにも、客観的な目が大事!

ところで、中古レコード店では、自分の好みや思いをどう打ち出したらよいか、というテーマがある。個性を出すのも大切だ。ただし、思い込みを排し、きちんと客観的、科学的な目をとおしたうえでやらないと、とんでもないことになりかねない。ダメな人は思い込みに流された、おかしな店になってしまう。

個性を出すには、どうすればお客さんに受け入れられ、経営として成り立たたせていけるのか。きちんと計算できなくてはいけない。何の計算もなくヘタに個性を強調して、お客さんが来なくなったのでは、元も子もない。それこそ、こんなはずではなかった、と愚痴ることになりかねない。

「個性」を、経営の要素として客観的に見ていく眼をもつこと。つまり〈経営を見る眼力〉を持たねばならないということだ。

眼力のある店主は、自分の好みや個性を材料を、うまく経営に組み込んでいく。どんな素材をもうまく使いこなす、一流のシェフと同じこと。これこそが本当の経営者。一方のダメ店主は、思い込みに目がかすみ沈没する。お客のことは何も考えていない。独善に陥るとはこのことだ。一見すると、両者は同じように見えても中身は似て非なるものだ。一言で言えば、個性を経営資源として使いこなせるかどうかの違いだ。

レコード屋なら、レコードを見る眼力も必要かもしれない。しかし、経営を見る眼力の方が、はるかに大事。

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