中古レコード店店長の
経営ブログ

中古レコード、CDの買取や販売について、また日々の経営について、考えたこと、伝えたいこと、などいろいろ書いていきます。月に1~2回、更新していく予定です。

没後5年!いまも売れ続ける西城秀樹!その人気の秘密とは何か?

更 新:2024-02-29
テーマ:音楽、ミュージシャン

ハードなアクションと歌唱で一世を風靡した70年代のトップアイドル歌手、西城秀樹。アクションを売りにした歌手は、少年隊などのジャニーズアイドル達や、エグザイル、三浦大知などが思い浮かぶ。だが、彼らと西城秀樹は、まったく違う印象がある。では、何がどう違うのか。没後5年、いまだに売れ続けるその人気の秘密について考える。


<目次>
❶西城秀樹は、香港では男性からの人気がすごかった!
❷西城秀樹のアクションと少年隊のダンスの大きな違い。
❸西城秀樹のような歌手は、もう現れない?
_____________


❶西城秀樹は、香港では男性からの人気がすごかった。
あるとき、テレビで 「日本の歌手では、誰が好きですか?」とマイクを向けられた観光客が「西城秀樹」と答えていたのを見て、驚いたことがある。30歳ぐらいの若い香港の男性だった。 そして、彼は自分がいかに熱狂的な西城秀樹のファンかを、彼のアクションのマネをしながらアピールしていた。

レポーターの芸能人の2人は、「え?、西城秀樹??・・・」と困惑したリアクションだ。驚くのは当然で、当時は90年代。日本国内ではバンドブームが盛り上がり、ビジュアル系やら小室サウンドやらが流行っていた。そして西城秀樹はというと、「ヤングマン」や「ギャランドゥ」など、後期のヒット曲からもすでに久しく、人気もすっかり落ち着いていたころだった。テレビでの露出もほとんどなく、半ば忘れられた存在となっていた。

その西城秀樹の名前が出てきたのだから、驚かずにはいられない。しかも香港人の観光客の口からだ。当時は日本の歌手が海外で活躍するなどは、まだまだ一般的ではなかった。 西城は、我々日本人が知らないうちに、未開拓のアジア市場で活動の場を広げていたのだ。

もう一つ、意外だったのは、 香港では、男性ファンが多いということだった。 確かにデビュー当初の70年代は、トップアイドルとして人気はすさまじいものがあったが、当時のファンのほとんどは女性だ。男性ファンの存在というのは、想像すらできなかったから、驚くのも当然だ。

ではなぜ、香港では男性からの支持が多かったのか?訊かれた香港男性は、意外なことを口にした。 なんといっても西城はアクションがいい。まるでカンフー・アクションのようだと。西城の、あの激しくも熱いアクションが、ブルース・リーを思わせるのだと言っていた。 これにはレポーターも、大きく頷き、納得していた。

❷西城秀樹のアクションと、少年隊のダンスとの大きな違い!
踊りながら歌うというスタイルは昔からあった。古いところでは笠置静子、その後の少年隊などのジャニーズ系アイドル達、韓流アイドル達。さらにはエグザイルや三浦大知、郷ひろみなど、数えきれない。西城以上の激しい動きを見せる歌手は、いくらでもいるのだ。

だが、西城は何が特別なのか。どこが違っているのか。近年の歌手達のそれは、アクションというよりダンスなのだ。 マイケルジャクソンの影響 もあるのだろう。80年代以降のダンス音楽は、スピード、正確さ、リズムなど、あらゆる要素において常人にはマネできないぐらいの高いレヴェルに達していることが多い。

一方、西城のアクションはもっと野性的で、激しい情熱の発露、表現だ。アクションを通じ「西城秀樹」という男を全身全霊で演じている。計算づくの機械的なダンスとは、似て非なるものだと言っていい。

❸西城秀樹のような歌手は、もう現れない?
実は西城秀樹のようなタイプの歌手は、意外といない。 なにしろ香港の人が、カンフーのイメージをもつほどの人が、そうそういるものではない。おそらく今後も出ることはないかもしれない。(※強いて言えば、世良公則が近いかもしれないが、どうだろう?)

なぜ、出てこないと言えるのか。 それは、現代がデジタルの時代だからだ。あらゆるものがデジタル化している。そして、現代のダンス音楽もまた、デジタル的だといえる。 現代のダンスは、スピード、テンポ、正確さ、キレ、精錬された動きなど、あらゆる要素について、それが「デジタル的」であることを示している。そして、近年ますます、先鋭化している印象がある。

しかし悪く言えば、デジタルは無表情で感情が希薄、たとえ動きは激しくとも、氷のような冷たさがある。「非人間的」であり、下手をすると、血の通わないマネキンかロボットのように見える。大いに感心はするが、感動がない。

一方、西城のアクションはどこまでも熱い。そして本能的に何かを強力に発散している。ワイルドな野生動物のようであり、なおかつ人間くさい。そしてアナログ的である。


西城秀樹という歌手は、おそらく今後も語りつがれ、評価されていくことだろう。中古レコード価格も最近ようやく落ち着いきをみせてきているものの、いまだに売れ続けている。(了)

次回以降の掲載予定!

■ケンカの弱い人が、なぜ仕事で成功できないのか!仕事人の正しい戦い方。
■一生、困らない!お金についての正しい考え方とは?
■中古レコードの正しいコレクション整理は、こうすべし!
■ストヴィンスキーの名曲「春の祭典」をもっと聴こう!

※以上、順不同。月1~2回の更新です。

過去の関連記事

営業時間

中古レコード・CD・DVD

音楽創庫タナカ

札幌市中央区南22条西9丁目1-38

買取番号 011-552-0090
営業時間 『お知らせ』欄をご確認ください。

市電『東屯田通』下車すぐ