中古レコード店店長の
経営ブログ

中古レコード、CDの買取や販売について、また日々の経営について、考えたこと、伝えたいこと、などいろいろ書いていきます。月に1~2回、更新していく予定です。

専門店と大型店の買取査定の仕方は、こう違う!アナログ方式か、デジタル方式か。

更 新:2022-04-30
テーマ:買取と販売

専門店によるアナログな買取査定の仕方とブックオフなどに代表される大型チェーン店のデジタルな査定の根本的な違いと、その大型チェーン店が世の中に、どんな悪影響を及ぼしているか?について、徹底的に解説します!


■あらゆるプロの職人技は、『アナログ』だ!

『アナログ』的な買取査定とは、一流シェフの作る料理のようなものだ。料理の名人は、塩、砂糖の分量や火加減などは、ほとんど長年の経験とカンでやっている。 それでいてシロウトよりはるかにうまく、手速い。天ぷらの名人は、油の温度は、測らなくとも見ただけでわかるし、火の通り具合も、パチパチじゅうじゅうという、音だけで判断する。フルに五感を使い、実に手際がいい。

これがプロの職人技というものだ。シロウトのように、いちいちレシピを見ながら、砂糖を大さじ一杯、などとキッチリ計測しているわけではない。実際やってみればわかるが、分量を測ってレシピ通り作っても、なかなかうまく作れるものではない。料理にはスピードも必要だし、その日の気温や、湿度、素材の状態にもよる。だから、最後は自分の経験とカンにたよらざるを得ない。料理の腕の上達を願うのなら、勉強と経験を何年も積み、自分の感覚をみがいていくしかない。

そうやって 長年に渡って磨いた職人技が、『アナログ』ということであり、それを高度にできる人がプロということだ。アスリート、演奏家、作家、俳優、大工、セールスマン、接客業、経営者・・・、など、ありとあらゆる分野のプロの仕事というものは『アナログ的』だ ということに異論のある人はいないであろう。

■デジタル方式のバカバカしさ
さて、ここでは、ブックオフに代表される査定のやり方を、デジタル査定と言っている。そこでは、一枚一枚、これは5円、こちらは10円、などとやっている。これはまるで カップ1杯の米の重さを測るのに、一粒一粒の重さをそれぞれ測ってから、合計するようなものだ。 一見いかにも丁寧で、このやり方が、正しいのではないかと錯覚する人もいるかもしれないが、我々から見れば、実にバカバカしいかぎりだ。

もともとこのやり方は、 ずぶのシロウトのアルバイトでも均一に買取査定できるように考えられたものだ。アルバイトが主体である大型チェーン店の場合、経営事情によりやむを得ず採用されているに過ぎない。所詮、偽物であり、本物の代替方式でしかない。

しかしながら、現在、大型店は普及、浸透してきている。そして困ったことに、これでもいいのではないかという誤った風潮が、特に若い人を中心に広がっている。たとえて言えば 回転ずしの普及により、本物のすしを知らない人が増えていることとよく似ている。別に本物でなくとも良い。回転ずしで充分だと、いわんばかりだ。増殖する大型店が、様々な弊害を生み、そして本物に取って変わろうとしている。(偽物によって本物が駆逐されるのは、本末転倒だ!) 私としては、大型店の査定システムについては、明確に否定しておきたい。

■ブックオフに代表される、デジタルな査定でも、店舗や店員により、格差がけっこうある。
アナログ査定は、まさにプロの職人技だ。部分はファジーだが、全体計算は、速く正確に算出できる。
(※プロは正確だといっても、専門店ごとに個性があるので、すべての店の査定が全く同じだという意味ではない。その店なりに正確である、ということ。)

ブックオフに代表される、デジタルな査定では、一枚一枚を調べて算出し、それを合計して全体をだす。だから査定にかなりの時間がかかる。そしてキズなどの状態の判定は、各店員の個人差もけっこう大きい。 キズに厳しい人と甘い人、ベテランと新人、店員それぞれ査定が違っていても全然、不思議ではない。(お客さんは気づいてないようだが・・・)

■ブックオフの買取査定が全国一律、どこでも同じというのは、あくまでスローガンである。
私も仕事柄、ブックオフによく売りにも行く。そして 実際の査定は、店舗によりマチマチだ。同じ店でも査定する店員によっても、個人差がある、 ということを経験上知っている。本部のデータを参照して値付けしているとはいえ、店員も人間だ。ましてやアルバイトのやることだ。全く同じ査定であるはずはない。

(※古い情報だが、ブックオフのアルバイトは、2週間の研修を経て、現場に出されるということを何かで読んだことがある。現在どうなっているかは不明。)

(※我々個人専門店でも複数の店員がいる場合は、店員によって査定金額が全然違うこともあるが、公平を期すために申し添えてておく。)

ブックオフの買取査定は、全国一律がうたい文句だ。だが、それはあくまでスローガンである。 繁盛店もあれば、赤字経営で苦しいところもあるなど、それぞれの店舗によっても事情は大きく違う。苦しい店舗は、当然ながら買取は安くせざるを得ないだろう。ブックオフ同士の競争も激しい。フランチャイズの経営は大変なのだ。

(※ ブックオフの敵は、ブックオフだと言われている。これは、多店舗化する大規模フランチャイズの宿命ともいえるものだ。 例えば、コンビニ業界などもまさにその典型だ。セヴンの敵はセブンであり、近隣の同じ加盟店同士、潰すか潰されるかの熾烈な競争を強いられる。それが現在の大手フランチャイズ戦争の実態だ。)

■ブックオフの査定に影響される(毒される?)若い人が多くなっている。
買取査定の内訳 を聞きたがる人がいるが、個人専門店ではお客さんに説明する際に、 このへんは大体いくらぐらい、というような大づかみな説明しか普通はしない。 (※特殊なものは別として)先述したように、デジタル式に一枚一枚の値段をだしてから合計して算出しているわけではないからだ。すべてのCDについて、これは100円だとか、200円だとかいうように、 1枚1枚の細かい値段について、明確に言うことは適切ではない。

例えば査定の終わったCDの中の1枚を指して、「このCDはいくらですか?」などと聞いてくる人がいる。数字を言うと、不満げな顔で 「じゃあ、それは売るのをやめにして、残りの(売れ筋ではない)CDだけを売ります。」などと平気な顔で言ったりする。 実に困りものだ。気の短い店主なら、たちまち機嫌を悪くするだろう。当店の場合、「それを持ち帰られても、困ります。そのCDはこの買取のなかでは、目玉ですからね。 目玉のない買取なんて、そもそも買取の意味がありません。」 と返すことが多い。

こう言っても、たいがいポカンとした顔になることが多いのだが。こういう人は、単純なデジタル頭になっている。だから商談交渉の場でも子供のような計算しかできない。そして、その背景として、ブックオフなどの悪い影響があることも確かなのだ。その査定に毒され影響されたことが原因であるのは、明らかである。(※ブックオフ以外にも、下品極まりないCMを流している、中古車の買取査定比較サイトなどの存在がある。)

ハッキリ言うが、いいところだけ持ち帰る、などということは、個人専門店では通用しない。 店主は(アナログ的に)全体を見て査定し、金額を算出したのである。売れ筋を持ち帰られた場合は、すべてが台無しになるため、最初から計算をやり直すことになるのである。

それは、いったいどういうことか。

■査定したものの一部持ち帰りは、原則マナー違反。店主の怒りを買う行為だ!
もっと詳しく述べる。売れ筋が程よく含まれていたCDを査定する場合、店としては1割程度の割り増し査定をして、少し高めの買取金額を出すことはよくある。 今後のことも考え、色を付けてサービスしているのだ。

しかし、好意的な値段をつけてあげているにもかかわらず、お客さんは気づかなかったとする。そして、こともあろうに目玉であるCDを持ち帰ると言い出した。店主はショックを受ける。店主の好意はお客さんの心に届くことなく、見事に踏みにじられてしまったのだ。当然ながら、サービスの割り増しは取りやめになり、目玉もなくなったことで、逆に通常より安くせざるを得なくなってしまった。私がここで言いたいのは、 専門店の買取査定とは単純計算で成り立っているわけではない。1+1=2、10-3=7,になるわけではない。店としては目玉を抜かれた場合、最初から計算し直すか、商談不成立で全品お断りするしかない。(他店でも、商談を中止することが多いような気がする。)

さらに言えば、今後ともそのお客さんとは、信頼関係は結べないと判断せざるを得ない。もしまた同じ人が売りに来ても、二度と高い値段をつけることはないだろう。結局、そのお客さんは小さな金額ことにこだわったことで、大きなミソをつけてしまったのだ。よほどのことがない限り、落とした信頼を挽回することは、もうかなわないだろう。

「目玉だけを持ち帰る」などという下品な行為は、専門店では絶対やってはいけない。持ち帰るなら全部持ち帰るべき。これがマナーというものだ。
大型店では通用しても、個人商店ではダメなことは多々あるのだ。どんな会社でも、(あるいは、国家同士でも)商談交渉とは人間と人間がやるものであり、単純な計算では全くない。そういうことを総合的に理解できて初めて本当の社会人だと言える。 (※もし単純な計算だけでよいのなら、北方領土は、とっくに返還されていたかもしれない。佐藤優氏が書いてるように、その交渉過程で日本が相手を怒らせるようなヘマを、いろいろやらかしたようだ。)

■余計な一言。
目先の小さな利益にこだわって、結果的にすべてをぶち壊してしまう ことは、日常的に多くの人が、経験している。ただ、不思議なことに、 本人は、案外,気付いてない。短絡的に利に走り、得しようと行動しているつもりが、逆に損をしたり、徒労に終わったりというパターンを繰り返している。 しかし、自分ではなかなか気がつかないのである。(人間とは、そういうもの。)そして「運がなかった」であっさり片づける。なぜこうなったのかと、深く考えることをしない。(※発展途上の20代なら、しかたがない面はあるとは思うが、努力はすべし。)

目先のこと、小さな表面的なことしか見えない人は、本当の事がわからない。そして、 目の前にチャンスがころがっていても、気が付くことはない。 なぜならチャンスに飛びつき、そこから結果に至るまでの長い道のりは、ロングスパンで考えなければ、想像できないからである。目の前のチャンスをチャンスだと見極めることは、こういう人には、なかなか難しい。

では、どうすればよいか。

もっと物事を大きくとらえる。そして何事もロングスパンで考えていくことである。そういう思考力を身に着けるということだ。 そうすれば大抵のことは、自分の思いどおりに展開していくのである。 (※ただし、自分なりに、という意味である。特に人生の後半は、人により大きな差がついていく。)

そのためには、 もっと勉強することが大切だ。 実務と教養の両方だ。短期的には実務的な勉強が、長期的には、古典名著や歴史などの教養的な読書がものを言う。私だってまだまだ、努力中である。


次回以降の掲載予定!


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※以上順不同。月1~2回の更新予定です。

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