中古レコード店店長の
経営ブログ

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もっと挨拶(あいさつ)をしよう! 挨拶回りの仕方でハッキリわかる! 新規店舗の成否の行方。

更 新:2022-12-20
テーマ:中古店の開業マニュアル

新たに開業する店が、開店前にご近所に対して最初にするべきは、挨拶回り(あいさつまわり)である。しかし、この常識だと思われたことが、意外にできていない。きちんとしているところもあれば、逆に全くしないところがある。そして、挨拶をしない店はその後の営業も決して順調とはいえず、早期に辞めていくことが多い。それはなぜか? 挨拶と営業実態との間にどんな関係があるのか、探っていく。

<目次>
❶挨拶回りをしなかった店は、長くは続かない。
❷当店のすぐ上の階で店を始めた人が、いつまでたっても挨拶にこない!
❸挨拶ができない人は、人間失格なのか?
❹挨拶回りの必要性とは、何なのか?
❺挨拶から切り開こう!自分の人生。
❻職場の誰とでも話せるような状態をつくる。 ❼おとなしいサラリーマンは、出世しない?
❽挨拶は質より量だ!最初はヘタクソで構わない。
❾まとめ。挨拶で大きく自分を変えられる!
■次回以降の掲載予定!

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❶挨拶回りをしなかった店は、長くは続かない。
新たに店を開業する人が、物件が決まった後、最初にやるべきことは、ご近所への挨拶回りである。特にお隣さんには丁重にしておかなければいけない。 これは、内装工事が始まる前か、遅くとも同時ぐらいにしておくべきで、あまり遅いとヒンシュクを買ってしまう。(近所の人は、何ができるのかと気にかけている)

ところで、当店は、この地で営業を始めて長くなるが、新たに開業する店舗についての、ある意外なことに気が付いた。 それは、「挨拶回り」をきちんとしている店が少ないことだ。

「向こう3軒両隣」という言葉がある。私も、開業のさい、近所に菓子折りを配って歩いたものだ。こんなことは当然だと思っていた。

ところがその後、次々と近所で開業する店を観察してると、挨拶もいい加減で、まったくしないところもけっこうあることが分かってきた。ただし、それらの店のほとんどは、営業不振で早期に辞めている。

一方、挨拶に来ているところは、そこそこうまくやれている。少なくとも当店の近所では、早期に辞めた店はほとんどない。挨拶回りの有無が、経営状況の良し悪しを分けたかたちになっているが、これは偶然ではない。

「そんなバカな!挨拶と経営は、ゼンゼン関係ないだろ。」と、ツッコミを入れたくなる人もいると思うが、次をお読み下さればご納得いただけると思う。

❷当店のすぐ上の階で店を始めた人が、いつまでたっても挨拶に来ない!
挨拶のことでは、以前、嫌な思いをしたことがある。 当店のすぐ上の階で新たに店を始めるという人が、挨拶に来なかったのだ。 当店が入っている建物は小さくて、上と下とはかなり近い関係にある。よく顔を合わせることもあるはずなのに、挨拶がないというのはおかしい。

最初、工事業者らしき人が来て、テナント募集中の2階の物件で突然ガタガタやりだしたことから始まった。何かができるようだが、まだ連絡は来ていない。本来は、そのタイミングで挨拶に来てほしいのだが・・。さらに数日後、今度は騒がしい声が、ワーワー、キャーキャー、聞こえてきた。カン高い、耳に障る声だ。さすがに私も我慢できなくなった。

2階へ上がり、思い切ってドアを開けると、そこに女性が3人。何か飲みながら、ワーワーやっていて、大いに盛り上がっていた様子。そこへ見知らぬ私が突然ひょっこり顔を出したので、なんとも間が抜け、バツが悪い。 かなり気まずい中での、初対面の挨拶となってしまった。

話を聞くと、その中の20代半ばぐらいの若い女性が、これから一人でエステ店をやるのだという。経営者というには、ちょっと頼りなげで、大丈夫か?という印象だ。あとの2人はその母親と友人。仲間内のオープン記念パーティーの最中だった。

それにしても、挨拶しないままオープンするなど、常識外れもいいところだ。(気の短い人なら、怒鳴りつけるだろう) あとでするつもりだったのかもしれないが、挨拶なしにワーワー騒ぐのは無礼であり、完全にアウトだ。

ところが、あとでその店主と話してみると、不思議なことに(?)その店主はおかしな人でも何でもないことが分かった。どこにでもいる普通の人だ(むしろ普通過ぎた) だが、半面、経営者としては、まったく無知なズブのシロウト。結局そのエステは、わずか1年で辞めている。

まだまだ他にもこういう話は山ほどあるが、とても紹介しきれない。 結局、なぜ挨拶をしないかというと、店主が経営について無知だから、ということに尽きる。当然オープンしても長く続けていくことは難しい。事実、当店の近場では、そういう店のほとんどが1~2年で閉店している。

❸挨拶ができない人は、人間失格なのか?
われわれ日本人は、挨拶をしっかりやるよう、子供時代に親や先生からシツケられる。 だが、挨拶がうまくできない人も、また多い。恥ずかしながら、私も昔から、挨拶は大の苦手だった。 挨拶のできない人間は、何をやってもダメだと言う人もいて、学生時代はかなり気にしていたものだ。

ところで、アメリカ人は知ってる顔には「ハーイ」と気軽に挨拶する。一度も話をしたことなくてもだ。 一方、日本人は、誰とでも気軽には挨拶しない。対人的に神経質な国民性だから、よく知らない相手とは距離を取る。シツケの厳しさとは裏腹に、日本人は本来、挨拶が苦手なようである。

そうは言っても、店主の挨拶回りは必要だ。その必要性が分からないというのでは、経営者としての資質を問われることにもなろう。

❹挨拶回りの必要性とは、結局、何なのか?
では、なぜ、挨拶回りは大切なのか? 

それは、隣近所と話し合ったり、協力したりすることが、ときおりあるからだ。 だから、必要最小限度の近所付き合いはどうしても必要で、これを怠ると、あとで自分に跳ね返ってくることになる。

ところで、飲食店や理美容店などは近所の人が主なお客さんだから、近隣に配慮するのは当然だが、中古レコード店のお客さんは、そういうわけではない。お客さんは、市内全域か、それ以上に広い地域に散らばっている。 だがそれでも、 近隣への気配り目配りは、最大限にするべきなのだ。 それは何故か?

例えば、札幌の場合だと、 除雪の問題がある。 冬になると店の前に大きな雪山ができてしまう。この雪山の位置が悪いと隣近所に迷惑をかけるから、前もって話し合っておくことが望ましい。また、当店もまさにそうだが 駐車する車や自転車で、店の前が混雑しやすい店も、近隣に対してかなり気を遣う。下手をすると、近隣トラブルの原因となり、移転せざるを得なくなる場合もある。 (※人気ラーメン店が、移転する原因の一つがコレ)

店にとって、ご近所対策は重要だ。 来たお客さんのことだけ考えればいいというものではない。

❺挨拶から切り開こう!自分の人生。
ここで、 一般のサラリーマンに向けての話もしたい。 サラリーマンの場合、挨拶については自営業者よりもっとシビアだ。 職場などの人間集団では、何といっても「挨拶の力」がものをいうからだ。

人は誰であれ、集団内では自分の能力、個性をうまく発揮できればと願うものだ。だがそのためには、その集団をしっかり把握しコントロール出来なければいけない。
コントロールというと語弊があるかもしれないが、集団内の人達と相互信頼を築き、自分が動くことで周囲の人も動かしていくということだ。

口で言うのは簡単だが、実際は大変だと思われるかもしれない。こういうことができるためには、特殊な才能が必要であって、私はそういうタイプではないと。しかし、それほど悲観したものではない。どんな人であれ、「挨拶力」を適切に活用すれば、ある程度は自分の思い描く理想的な状態に近づくことはできるはずだ。

全ての人間関係は、挨拶から始まる。最初に挨拶がなければどうにもならない。これは真実である。反対に、一度でも無視した相手とは、確実に縁は薄くなってしまう。失った信頼を取り戻すには、時間がかかるだろう。会社などの集団内での仕事のさいは、そういうことが原因で予期せぬ支障をきたす場合も多い。

自分の能力、個性をしっかりと発揮していくためには、集団内のどんな人ともスムーズに話ができることが理想である。そのためにも、挨拶が大きな武器になるということを知ってほしい。


❻職場の誰とでも話せるような状態をつくる!
では、どういう風に挨拶をしていったらよいか?

まず、一人でも多くの人と積極的に挨拶をしていくことが基本。そして、その場のどのメンバーとでも、コミュニケーションをとれるような状況を作っていくこと。(挨拶のない人とは、話はしにくい。)これを目標に、しっかり「意識的に」やっていく。相手の好き嫌いは関係ない。

好きな人としか話をしない人がいるが、これはよくない。
周囲からは、狭量で気難しい人だと見られ、信頼は得られない。集団で仕事をするさいは 、好き嫌いはあってはならないし、相手や他人にさとられてもいけない。常に相手のいいところだけを見ていくこと。職場などでは、自分の嫌いな人、対立する人とも、協力していかなければいけない。

さて、誰とでもコミュニケーションをとれるように状態をつくるためには、挨拶のさい、どのようなことを心がけたらいいのか?

たとえば入った部屋に何人かいたとする。そのさい、 挨拶は全員に対してするにしても、気持ちは、一人ひとりに向けていくことが大切だ。挨拶しながら、「この人は最近元気かな?」とか、「今日、話をすることがあっても大丈夫だろうか?」などと、何となく気遣っていくのである。もし、反応の悪い人がいたら、あとで「最近、どう?」などと声かけするのもいいかもしれない。

よくないのは形だけの挨拶。相手を見ず、配慮もない。そういう挨拶は相手にもわかるものだ。(形だけでも、何もしないよりはマシだが。)挨拶の基本は、相手に対する配慮、気遣いである。形や技術ではない。


❼おとなしいサラリーマンは、出世しない?
おとなしい人の場合は、どうしても「挨拶力」が不足しがちだ。結果、本領を発揮できずに、一生、芽が出ないまま終わるか、出た場合でも相当な時間がかかることになる。評価されないどころか、下手をすると、人と距離を置いた「傍観者」や、奴隷のようにアゴで使われる「被害者」になるおそれすらある。

そうならないためにも、「挨拶パワー」を適切に活用していく。自分の力をより早く発揮できるようにしていけば、「傍観者」や「被害者」になることはない。
(※本当の実力を発揮できないと述べたが、 コミュニケーション能力や世渡り能力も、実力のうちであることは言うまでもない。)

それでも、「自分は、挨拶が大の苦手で・・」という人はいるだろう。かつての私もそうで、若い頃はパッとしなかった。だが、挨拶の効用に目覚めてからは、考えが大きく変わった。

❽挨拶は質より量だ!最初はヘタクソでも構わない。
ここは、特に挨拶の苦手な人に読んでほしい。とりあえず、 最初のうちはヘタクソでも構わない 、と言っておこう。会社でへんな挨拶をしていると、当然、指摘を受けるだろうが、それで全然いいと思う。

叱られるのもコミュニケーションのうち。叱る相手をしっかり受け止める。うまい叱られ方は、よきコミュニケーションの素となり得る。挨拶のうまいか下手かを気にするよりも、相手の存在を受け止め、相手を気遣うこと。繰り返しになるが、こちらの誠意は相手にも伝わるものだ。

日本人は、挨拶に完全を求めすぎるように思う。相手によってお辞儀を15度、30度、45度、などの区別をきちんとしなければ、などと変に固く考えてしまう。これではかえって挨拶できなくなってしまう。 最初からうまくやろうなどと考えず、まずはできるだけ多くの人と気軽に挨拶できるようにすることを心掛けたほうがずっといい。 5人より10人、10人より20人だ。うまくなるのは、後からでもかまわない。

❾まとめ。挨拶で自分を変えられる!
挨拶には会話が付き物だ。挨拶するのはいいとしても、会話が不安だという人も多いだろう。当然、敬語や会話、マナーなどをマスターすることも同時に必要になってくる。(※それらを短期間で習得できるいい本は、たくさん出ている。)

挨拶は、人との交流の、あくまで入口に当たる部分でしかない。 だが、いい挨拶を実践していけば、しぜんに敬語や会話、マナーの勉強にも力が入る。つまり、サラリーマンは、挨拶を入口として、敬語、会話、マナーなどのコミュニケーション能力、さらには仕事の能力が、混然一体となって、レベルアップしていくものだ。


今まで、人生がうまくいってないと感じている人は、一念発起、自己改革を起こしてみたらいい。挨拶の実践から自分を大きく変えることもできるのだ。(了)


■次回以降の掲載予定!

■常連さんと店主の微妙な関係。常連さんだと、レコードを安く買えるのか?、常連であることのメリットと以外な責任とは。

■レコード店経営で本当に食っていけるのか!? 目からウロコの現代レコード商売事情アレコレ。

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※以上、順不同。月2~3回の更新予定です。


※今年一年間、お読み頂き有難うございました。来年度も当ブログをしっかりお届けできるよう頑張りますので、どうぞよろしくお願いします。

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