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中古レコードコレクションの、正しい分類・整理の仕方。
更 新:2024-03-29
テーマ:聴き方・選び方・買い方
ただ数だけ集めたからと言って、それがコレクションになるというわけではない。きちんと分類整理されてこそのコレクションである。今回は中古レコードコレクターのために正しい整理分類の仕方、いいコレクションの作り方についてご紹介する。
<目次>
❶大量のレコードの整理整頓ができない人の末路は?
❷まずは、不要なレコードの処分から!ぜい肉を落としスッキリさせよう。
❸処分後、手元に残ったレコードを細かく分類。
❹平凡なコレクションで満足するか、それとも上級を目指すか。
❺上級のコレクションって、何?
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❶大量のレコードの整理整頓ができない人の末路は?
中古レコードのコレクターといってもいろいろだが、ベテランになると凄い枚数の人も中にはいる。まあ3000枚以下なら、四畳半一部屋で事足りるが、それ以上だとそうはいかない。保管場所に困って、居間や廊下、はたまた玄関にまで置くこととなり、生活空間を圧迫するのだから、
奥さんが怒りだす
のも無理はない。
そんなわけで、
独身ならいざ知らず、家族持ちは肩身が狭い。
乱雑な状態を放置しておくと、知らぬ間に奥さんに処分されてしまったりする。最悪の場合、家を出ていくと言わないとも限らないから、レコード整理については真剣に考えていく必要があるのである。
大量のレコードの置き場所に困っていた、Aさんの話だ。Aさんは一軒家。
家の廊下や玄関も大量のレコードであふれかえり、ついに仏間も占領かとなったところで、普段は温厚な奥さんもさすがに怒りだし、大喧嘩。離婚寸前までいったという。やむなく不要なレコード何千枚かを処分した。
Aさんは、もともと一万枚以上もの大量のレコードを持っていた。家じゅうレコードだらけの、いわば
限界コレクター
だった。何千枚もの処分と聞いて驚くかもしれないが、処分してもまだまだ大量のレコードが残っていて、この程度の処分ならどうということはないらしい。
こう言ってはなんだが、
レコードマニアというのは、一種の病気のようなものだ。
大量のレコードを抱えたマニアの多くが、置き場所の問題に頭を痛めているのが実情だ。そして、こういう悩めるマニアのおかげもあって成り立っているのが、当方の商売というわけで、複雑な思いがまったくないでもない。
❷まずは、不要なレコードの処分から!ぜい肉を落としてスッキリさせよう。
整理整頓が、大の苦手という人は実に多い。かくいう私もそうである。しかし、やるときはやらねばなるまい。そこで整理整頓のベストと思われる方法をご紹介したい。誰でもすぐに取り掛かることができ、その効果は抜群だ。まず最初にやるべきは、間違いなく不要だと思うレコードを、どんどん処分することだ。整理整頓は、ここからがスタートだ。問題は何が不要で何が必要なのかの判断が、難しいと思うかもしれない。あまり勢いよく処分してしまうと、かえって後で困ることになる。では、どうするか。
まずレコードを、A、B、C、にざっくりと分けていく。
つまり、A(絶対要るもの)、B(要るか要らないかわからないもの)、C(間違いなく要らないもの)の3通りに分ける。そして、Cの要らないレコードは、先にどんどん処分していく。ABCに分けることは、それほど時間はかからない。パッ、パッ、パッ、とテンポよく分け、Cに分類されたものは、かたっぱしから処分用ダンボールに詰めこんでいく。あまり深く考えず、どんどん処分できるはず。いるかいらないかで迷ったら、とりあえずBに分類しておく。最終的にどうするかは、あとでゆっくり考えればいい。
たったこれだけの作業で、3割以上のレコードは処分できる。たとえ足の踏み場もないような乱雑な部屋でも、わずか1~2日でビックリするぐらいにスッキリ片づく。
ここまでが前半の作業。
これで無駄なぜい肉をざっくりと落とすのだと思ってほしい。そうすることで、全体を大きくスリム化。そこからさらに整えながら、必要な筋肉をゆっくりと増やしていく。
一旦大きく落としてから、増やすところはしっかり増やす。これがいいコレクションを創るコツだ。
❸処分後、手元に残ったレコードは細かく分類。
さて、次の作業はやや手がかかる。Cを処分した後、A、Bのレコードが残されている。それを細かく分類し、棚に入れていくのである。例えばロックやソウルなら、アイウエオ順、またはアルファベット順に並べていく。必要ならハードロックとか、プログレとか、クラシックなら、交響曲、ピアノ曲などのジャンル分けを最初にしてもいい。とにかくそうやって分類していく。名前を書いた差し込みを作るとレコード店の棚みたいでカッコいい。
さて、この作業をしていくなかで、さまざまことに気が付くはずだ。
Bと判定したが、やっぱり必要ないなとか、まったく同じレコードが何枚もダブっていたりとか。作業中にさらなる処分品が出てくるはずだ。
そうしてさらなる処分を経た後、最後まで残されたレコードこそが本当にコレクションすべきレコードということになる。
ここで一言、言っておきたいのは、
コレクションは、棚にきちんと分類整理されて収められているからこそ、コレクションなのだ。乱雑で何処に何があるかもわからないような状態なら、ただのレコードの山にすぎない。
しかもこういう人に限って、さも自分はコレクターでごさい、と言う顔をしたがるようだが、まったくいただけない。持っているレコードのすべての所在がすぐにわかるということ。それが、コレクターの最低条件ではなかろうか。
たとえどんなに熱狂的なレコードマニア、レコードファンだったとしても、枚数はあっても未整理ならば、コレクターとは言えないだろう。
❹平凡なコレクションで満足するか、それとも上級を目指すか。
さて、ひと通りの整理分類ができたら一応は及第点。まあ、60点といったところか。整理整頓の苦手なタイプの人ならこれで十分だと思う。一応は(中級の)コレクターとして通用するのではないか。あとは年に一回ぐらい、見直すだけでいいと思う。
ただ、もっと上を目指す人はここからが問題だ。コレクションのグレードアップをどうやって図るかだ。
上級と中級では、その内容に大きな違いがある。コレクションの良し悪しは、必ずしも枚数で決まるものではない。たとえ少なくとも、素晴らしいコレクションはいくらでもある。
やたらに枚数を集めることに喜びを感じるタイプの人もいるようだが、まったく愚かでナンセンスだ。
❺上級のコレクションって、何?
では、上級のコレクションとは何か。枚数ではないとはいっても、コレクションというからには少なくとも1000枚は必要だろうが、それでも素晴らしいコレクションを作ることは可能だ。繰り返すが、(一流コレクション=枚数)だと思っていた人は、頭を180度転換してほしい。
量が多くても、集めた人の思いや人柄が感じられないものは面白味がない。ただ枚数だけのコレクションはつまらない。
では、具体的にはどんなものがあるのか。よくあるのは、オリジナル盤をズラリ揃えたコレクションだ。さらにはロックの日本ライブ盤の国内盤初発帯付きのコレクションとか、ワンホーンのジャズのオリジナル盤ばかり集めたコレクションなど、特徴をもったものだとさらに面白い。ビートルズのコレクターはたくさんいるが、例えば日本盤、米国版盤、英国盤はもちろん、ドイツ、イタリア・・・など、世界中の盤を集めたらかなり凄いコレクションになる。変わったところでは、ベスト盤のコレクター、ミスプリジャケのコレクターなどという、そうとうマニアックなコレクターもいる。
1枚ではたいした価値がなくとも、集めることで価値あるものに大変身する場合があるのが、コレクションのだいご味だ。(了)
次回以降の掲載予定!
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※以上、順不同。月1~2回の更新です。
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