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成功するセドリ屋はココが違う!賢いセドリ屋の会計学入門。
更 新:2024-06-30
テーマ:買取と販売
中古店を回るセドリ屋は多いが、儲かっている人とそうでない人の落差は大きい。ではなぜそんなに格差があるのか。儲かる人は何が違うのか。今回はセドリ屋としてきていくにはどうすればよいか。成功するセドリのコツを解説する。
<目次>
❶セドリ屋の収入格差は大きい。
❷眼力はなくても成功する方法はいくらでもある!
❸儲かるセドリの法則、その1。
❹儲かるセドリの法則、その2。
❺儲かるセドリの実践応用例。
❻成功するセドリ屋は店主をも味方につける。
❼成功するセドリ屋の特徴のまとめ。
❽安全第一では稼げない。
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❶セドリ屋の収入格差は大きい。
セドリは、漢字では「背取り」と書く。
昔は、古本屋の本の背表紙を見て安く抜き取ったものを、高い店で転売する行為をセドリといい、それを生業にしている人をセドリ屋といった。
もともと地味な存在だったが、ネット社会になった近年は、本だけではなく転売すれば何でもセドリだ。ニュー・セドリ屋とでも呼ぶべきか。
何でもそうだが、セドリにも上手い下手があり、みながみな、高収入を得られるわけではない。
ヘタな人のほうが多いというのが世の常で、専業でやっても年収100万~200万ぐらいしかないと思う。反対に、稼ぎのいいセドリ屋はごくわずか。800万~1000万ぐらいの人もいるというから驚きだ。
同じセドリ屋でも、天と地ほどの差があるようだ。
セドリ屋というと、なにかと「目利き」かどうか、「眼力」があるのかどうかが問題にされがちだ。つまり、うまくいかないのは眼力がないから、というわけだ。だが、私に言わせると、とんでもない勘違いだ。
私の知る範囲では、セドリ屋としての成績と眼力のあるなしは、必ずしも関係しない。
❷眼力はなくても稼ぐ方法はいくらでもある!
眼力と収入の関係について、中古レコード店経営を例に説明しよう。私は、これまでさまざまな店を見てきたが、
中古レコード店経営の良し悪しというものは、必ずしも店主の眼力で決まるわけではない。つまり、眼力は絶対的なものではなく、あくまで経営の一要素にすぎないのだ。
もしも、中古レコード店経営が、眼力だけで決まるのなら、眼力のない店が繁盛したり、逆に目利きで評判の店が、経営不振で廃業したりするはずがない。しかし、実際にはこういう逆のケースはたくさんある。
セドリ屋の場合も同じこと。眼力はあるにこしたことはないが、なければないで、いくらでもやりようはあるのである。
世の中の多くの人は、目利きかどうかだけに異常なこだわりを見せる。ただ、困ったことには、
目利きうんぬんと、経営の良し悪しとの区別がわかっていない。いくら眼力だけ凄くても、経営がうまくいかない人達はいくらでもいる。
実にもったいないことである。せめて、このブログを読む人には、
目利きうんぬんではなく、経営そのものにしっかりと目を向けてほしいと願っている。
中古店でも、セドリ屋でも、一番の問題は仕入れであることに変わりはない。成果は仕入れで決まる。そこそこの眼力しかなくとも、正しい仕入れの仕方さえしていれば、なみいるライバルを寄せ付けないほどの大きな成果が出せるのである。では、いったいどんなやり方をすればいいのだろうか。
仕入れの良し悪しは、仕入れたものの価格と、量で決まる。つまり、いくらぐらいの価格のものを、どのくらいの量を仕入れるのかが、成果を大きく左右するファクターなのである。
確かに最低限の眼力も必要だ。そのうえで、仕入れ価格と量を重視した、正しいセドリの仕方の基本を身につける。そうすることで収入は驚くほど大きく跳ね上がるはずだ。
今回はこれまであまり語られてこなかったこれらについて、稼ぐ人はどんなやり方なのか、ダメな人の克服すべき欠点は何か、例をあげて説明していきたい。
❸儲かるセドリの法則、その1。 安い均一品は捨て、中~高価格品で勝負すること。
簡単な例として、AB二人のセドリを比べてみる。
A:200円⇒600円 利益400円。
B:2000円⇒2800円 利益800円。
Aは3倍になっているから、成功してるような錯覚におちいるが、利益ではまったく大したことがない。高いものを仕入れたBのほうがはるかに大きい利益をあげている。
ダメなセドリ屋ほど、たいして利益の出ない安いものばかり仕入れたがる。だが、本当に成功したければ、安いものは捨てるべきだ。そして、中~高価格品で勝負できるようにするのである。
これは、成功への絶対条件。私の知るプロの業者は、例外なくそうしている。
❹儲かるセドリの法則、その2。 量を買うこと。
もう一つ、ご覧いただく。
C:2000円⇒2800円、 利益800円
D:2000円⇒2500円、2000円⇒2800円、 利益1300円
多く仕入れたDの利益が上回った。
セドリは多く仕入れた者が勝ちなのだ。
考えてみれば当たり前だが、心掛けてないと意外にできない。この差は年間を通してみると、かなり大きな差になる。かりにCの年収が200万ぐらいだったとすると、Dは300万~500万ぐらいだと考えるべきだ。
ダメなセドリ屋に共通するのは、仕入れの量が圧倒的に少ないということだ。
そのうえ安い物ばかりだから、食っていけるわけがない。
多少の失敗はあってもいいのである。量を仕入れることでいくらでもカバーできる。一人前になりたければ、「量で稼ぐ」という考え方を、命がけで身につけるべきだ。
もっとも量で稼ぐには、何店舗も回る必要がある。
つまり、プロのセドリ屋とは軒数を回る人のことであり、一流の行動力を身に着けた人だ。こういう人は、決断力、行動力抜群で、とにかくスピードが速い。そして、市内はもちろん、市外遠方まで、誰よりも広く回っている。
❺儲かるセドリの実践応用例。
では、最後により実践的な例をあげて考えてみよう。
E:200円⇒700円、500円⇒1000円。
仕入れ合計700円、売り上げ合計1700円、利益1000円。
F:1000円⇒1500円、2000円⇒3500円。
仕入れ合計3000円、売り上げ合計5000円、利益2000円。
G:2000円⇒3000円、3000円⇒2500円、3000円⇒4500円、5000円⇒3000円、5000円⇒9000円。
仕入れ合計18000円、売り上げ合計22000円、利益4000円。
失敗があったにも関わらず、Gがダントツで一番。一流のプロともなると、回る軒数、仕入れの量も当然ながらトップクラスだ。このクラスの人達は、安い均一品などは見るだけ時間の無駄、ということもよく知っている。
セドリに失敗はつきものだ。失敗を恐れて思い悩む暇があったら少しでも多く仕入れたほうがいい。野球でいえば、5点取られても10点取り返す。そのためには、即断即決。とにかく枚数で稼ぐ。安いものには手を出さない。そういうことが大切だ。
セドリの法則は、読めば一目瞭然、子供でもわかる理屈だ。にもかかわらず、全然わかっていない、Eのような人もいるが、いつまでも、これだったらセドリはやめたほうがいい。
セドリの世界では失敗を恐れると、慎重になりすぎ、思い切った仕入れができなくなる。絶対に失敗したくないという、悪い意味での完全主義が、一流への道を妨げるのだ。少しぐらい失敗してもいいと、おうように構えるぐらいでちょうどいいのだ。
❻成功するセドリ屋は、店主をも味方につける。
ところで、一流のプロが大量に仕入れられるのは、行動力があるからというだけではない。
実は、店側がそういうセドリ屋に協力して、特別な便宜をはかっていたりするためだ。
たとえば、店主はまとまった仕入れがあったとき、店頭に出す前に、まずお得意さんであるセドリ屋に電話をかけることが、店によってはある。また、セドリ屋がこの棚のレコード全部まとめて買いたいという場合の交渉のさいには、店は3割引き~5割引きとかでまとめ売りすることもある。
ただし、これらはいずれも店の専門以外のジャンルでのこと。店主がこのジャンルなら安くまとめて全部買ってくれる人がいると助かるな、と思っている限りにおいてのはなしだ。
例えばロックが専門の店なら、クラシックや歌謡曲は専門外だから、セドリ屋に相場よりも安くまとめて買ってもらった方が、店にとっても都合がいいわけだ。
ここまで読んで、どう思っただろうか。もしかしたら、セドリ屋は店からは敬遠されるのでは、という思い込みがあったかもしれない。下手をすれば、出入り禁止になるのでは、と恐れている人もいるだろう。だが、これは大きな勘違いだ。
実は、店は一律にセドリを禁止しているわけではない。
確かにセドリ屋が出入りを断られた話はときどき耳にする。しかし、すべてのセドリ屋がそうだというわけではない。
むしろ、歓迎されるセドリ屋も、たくさんいる。
断られるのは、あまりにもショボすぎるか、マナーが悪いかのどっちかだ。しょぼいお客ほど店主をイライラさせられるものはない。結果、行ける店がなくなっていく。自分で自分の首を絞めていることに気が付かず、始末に悪い。
一方、稼ぐセドリ屋は歓迎される。その人の希望するものを、店主がわざわざ用意してくれることもあるぐらいだ。そういうわけで、ダメな人と稼ぐ人の間には、ますます格差が大きくなっていくのである。
ダメな人というのは、そもそも自分で考える力のない、ある意味かわいそうな人達である。コツを教えてくれる人がいればいいのだが、自分から聞かない限り教えてくれることはない。ダメな人はダメなままやり続けているのが実態で、実に不幸なことだと思う。もっと素直に稼いでいそうな人から話を聞き、教わるべきではないか。(※厳しく言えば、金を払っても、頭を下げてでも、教わるべきだろう)
❼成功するセドリ屋の特徴のまとめる。
成功する人の特徴をまとめてみる。
①
即断即決。いいなと思ったら、ためらわずにドンドン買う。とにかくスピード、決断力の次元が違う。
じーっと見て、考えて買うなどということはない。お金には糸目をつけず、短時間に何枚も仕入れ、サッサと次の店に向かう。
②
スピード勝負だから、よほどの高額商品でなければ、中身のチェックはあまりしないし、スマホなども見ない。
時間をかけるぐらいなら、早く切り上げて次の店にいきたい。いつまでも細かいことをゴチャゴチャやるような人は二流以下だと考えている。
③
行動範囲が広く、まわる軒数が圧倒的に多い。
稼ぐ人の最大の武器は、何といっても行動力。普通の人の倍以上回る。
一つの店にかける時間は短く、サッサと済ませる。ライバルからは、この人が回ったあとは、ペンペン草も生えてないと思われている。
以上、セドリでプロを目指すなら、そういう行動様式をしっかりマスターする必要がある。(※最初はマネから入ってもいい)
❽安全第一では稼げない。
安全第一で、慎重に石橋をたたき、何事も無難をよしとする。決してリスクを犯さない。これは、日本人の美徳でもあろう。しかし、セドリについていうならば、こういう慎重な性格は、返って大きなマイナスだ。とても向いているとは言えず、やっていけないだろう。
本当のプロというものは、その道において人並はずれた決断力・スピード・行動力を持ち合わせているものだ。そして、ある程度のリスクも計算に入れながら、ダイナミックなお金の使い方ができる。ハイリスク・ハイリターンをきちんと実践する勇気ある人である。こういう人だけが、勝者になれる。
私見だが、ダメな人ほど、何事も人並でいいと考えているところがある。つまり、人並が一番安心安全、安泰だと思っているから、人並以上に努力するとか、自分独自の考え方を打ち出そう、などとはけっして思わないのだ。
こういう人は、一生、人並以下の人で終わってしまう。
誤解してる人が多いが、
人並というのは、人並以上の成果をあげるべく頑張った人が、ようやくそう呼ばれるようになるのであって、最初から人並でいいなどというのは、なまけものでしかない。
現代の格差社会においては、落伍者予備軍といっていいと思う。
もう一つ、
お金にはお金の法則がある、ということを理解すべきだ。
この法則を分かっているかどうかで、生き方、人生のかたちまで、大きく変わってくる。お金の法則を理解し、実践できれば、お金のことで悩むことはなくなると思う。では、お金の法則とは何か。
それは、お金は「よりよく使えば使うほど、たくさん入ってくる」という法則だ。逆に言うとお金は、「出ししぶる人には、けっして入ってこない」ということになる。
お金は、自分や周囲の人のために、使えば使うほど何倍にもなって自分のところに返ってくる。だが、出さない人にはまったく入らない。
作用反作用の法則というのがあるが、まさにそれだ。(※お金の法則については、今度詳しくやりたい)
経済的に成功する人は、大きなお金の使い方をよく知る人でもある。逆に、自分は出さないくせに、お金をほしがるような人は、残念ながら、大きなお金とは縁がないかもしれない。こういう人は、視野が狭くて自分のことしか考えられない狭量な人だ。もし、自分をかえたいと思うなら、まわりの成功者をもっとよく見習うことだ。
自分より成功している人というのは、必ず大きくダイナミックな思考回路を持っている。それをよく観察し、学習しながら、自分の思考回路も拡大させていく。自分を乗り超え、欠点を克服し、器を大きく広げていくべきだ。(了)
次回以降の掲載予定!
順不同。月1~2回の更新です。
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※以上、順不同。月1~2回の更新です。
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