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中古レコード、CDの買取や販売について、また日々の経営について、考えたこと、伝えたいこと、などいろいろ書いていきます。月に1~2回、更新していく予定です。

敷居の高い老舗の中古レコード店に、初心者が堂々と出入りする方法!

更 新:2023-11-13
テーマ:聴き方・選び方・買い方

初心者が、敷居の老舗の中古レコード店でいやな顔をされる場合もあれば、歓迎される場合もある。両者はどこが違うのか。初心者であっても、店に歓迎されるにはどうしたらよいのだろうか。


<目次>
❶老舗の中古レコード店(専門店)から敬遠され、グチを言うお客。
❷なぜ、その初心者サラリーマン氏は、A店から追い出されたのか。
❸初心者が気を付けるべきこと、3つ。
❹中古レコード店で好かれる人は、どこへ行っても好かれる?
❺初心者が、高級専門店に行いたいとき、結局どうすればよいのか。
❻まとめ。
_____________


❶老舗の中古レコード店(専門店)から敬遠され、グチを言うお客。
中古レコード店では、来客が他店の悪口やグチを言ったりすることは、よくある日常の風景である。ある日、当店に50歳ぐらいのサラリーマン風の男性客が来店。初めて見る顔で、店に入るなり、市内のA店の悪口をブツブツと言い始めた。 「初めてA店に行ってみたんだけどね。そこの店主に『お宅様は、どちら様ですか?』って、言われちゃったんだよね」

A店は、老舗のジャズ専門店だ。名店で格式が高く値段も高い。 「でも、こっちはお客さんなのにね。どちら様?はないよね~」 サラリーマン氏は、ひとしきりぼやいた挙句、結局、当店でも何も買わずにそのまま帰ってしまった。まったくのレコード初心者だったらしく、行く店を間違えたようだ。

❷なぜ、その初心者サラリーマン氏は、A店から追い出されたのか。
A店の、「どちら様ですか?」というのは、「ここは、あなたが来る店ではないよ。サッサと帰りなさい」という意味だ。つまり、 このサラリーマン氏は初心者ゆえ、イロハもわからず、選ぶのにモタついていたのだろう。それで店主に強烈な嫌みを言われ、体よく追い払らわれた格好だ。 「うちに来るのは、10年早いぞ」ということか。

そもそも老舗の専門店では、初心者はそれほど歓迎しているわけではない。 だいたい本物志向の店ほど、初心者なんぞ相手にはしないもの。 高級料亭や高級クラブの例を引き合いに出すまでもない。その種の店は、そもそも上級者のために存在する店なのだ。

一口に中古レコード店と言っても、初心者大歓迎の一般的な中古レコード店から、中~上級者向けの高級専門店までいろいろあるのだ。 そのサラリーマン氏は、そういう常識をぜんぜん知らなかったため、おかしなことになってしまった。こんなことで、その後のレコード店通いをやめてしまったのなら、とても残念なこと。だからこそ、初心者・入門者は以下の点をよく読んでより良いレコード店との付き合い方・マナーを覚えてほしい。

(※当店は高級店ではなく、あくまで一般的な中古レコード店です。初心者のお客様は、気楽にご来店ください)

❸初心者が気を付けるべきこと、3つ。
初心者(一見さん)が、老舗の専門店に行けないわけでは決してない。のかというと、一見さんお断りの中古レコード店があるわけではない。店だって商売上、初心者でもベテラン客でも、売り上げに繋がればどちらでもよいことなのだ。 ただ初心者は、この業界の暗黙のルール、マナーをよく知らないため、店主がイライラすることが多いのも、また事実だ。

ダメな人は、なぜダメなのか?まず、 何が欲しいのか、はっきりしない人が多いということ。 これは最悪。二つ目は、 選ぶのに必要以上に考えすぎて、モタモタしすぎる。また、安いものばかりを探そうとする。 店主がせっかくよさそうなものを勧めてあげても、値段を見て断ってしまう。こういう行為は、店主の好意を踏みにじり、心象を著しく悪くする。 高いのが嫌なら、老舗の名店には初めから行くべきではないだろう。 最後、実際にレコードを聴いたこともないくせに、本で読んだような理屈を言う人がいること。 こういう理屈屋には、ゴタクを並べる前にまず自分の耳で聴いてみたら?と突っ込みたくなる。

要するに、あーでもない、こーでもないと、モタモタ、グズグズの、はっきりしない態度が、店主をイラつかせるのだ。そして、商品をさんざんいじくり回したお客が、何も買わないとか、買っても極端に安かったりすると、店にとっては、返って損失になってしまう。いじり回された商品は、わずかながらも確実に傷み、商品価値が下がってしまう。店主が頭にくるのは、当然のことなのである。

❹中古レコード店で好かれる人は、どこへ行っても好かれる?
好かれるお客さんは、その逆だ。 最初から欲しいものがはっきりしており、見たらササっと選んで、パっと買って帰る。小さなお金は頓着しない。きっぷがよく、サッパリ感がある。ネチネチと他店と値段の比較したり、変に損得勘定したりしない。決断が速く、迷いもない。 興味がなければ、安くても見向きもしないかわりに、好きなものならパッと買う。打算的なところがない。レコードが好きだから買う、という純粋な思いがあるだけだ。

お客さんのほうであらかじめこういうものが欲しいと伝えてくれれば、多くの店ではいろいろ用意してくれる。ツーと言えば、カーと言う、 素早いやり取りができるお客さんは、相手をしていても実に気持ちがいい。ストレスもない。こういう人はどこへ行っても好かれるはずだ。 初心者とかベテランとか、関係ない。

キップのよい、サッパリして男らしいということを、日本では昔から、 【粋(いき)】 という(今や死語?)。「粋な人」というのは、どこへ行っても好かれるものだ。 レコード屋で好かれる人は、すし屋に行っても好かれる人でもある。

ところでこういう私は、自慢じゃないが買い物はかなり速いほうだ。日常的な買い物では、値段をじーと見て考えるということはあまりない。スーパーでもどこでも、値段は見ずにサッサとカゴに放り投げ、そのままレジに直行することが多い。お金よりも時間のほうが、もったいないと思うからだ。

たとえば、ケーキ屋に行ってケーキを4個選ぶ場合の時間は、わずか5秒~10秒ぐらいだ。(一緒に同行した妻からは、もっとゆっくり見て選びたいと、文句を言われる)家電を買う場合なら、店員さんと話をしながら平均で5分ぐらい、車を買う場合でも10分~15分ぐらいで決めてしまう。これは私が単に物欲がないせいもあるが、 日頃から意識的に速く決める習慣が身についているからでもある。

「時は金なり」だ。 忙しく働いてる人は、皆そうだと思う。小さなことでアレコレ思い悩んで無駄な時間を浪費して平気な顔をしていられるのは、結局、暇な人だからということだ。

❺初心者・入門者が高級専門店に行きたいとき、結局どうしたらよいのか。
基本的には初心者の場合は老舗の名店ではなく、一般の中古レコード店で買い物すべきだと思う。 (当店も一般店である)。それが順序というものだろう。老舗名店に行くのは、初心を卒業してからでかまわない。誰しも老舗の高級専門店にはあこがれるが、品ぞろえはマニアックで値段も高く、初心者向きとは言えないからだ。 何事も、自分にあった身の丈サイズの店を選ぶことが大切である。

もちろん、初心者が高級店に行っていけないという法があるわけでもない。(一見さんをお断りしてる店はレコード店にはない)もし覚悟があるなら、大いにチャレンジしてもよい。ただし、以下の点について留意されたい。

あらかじめ、欲しいレコードの狙いを定めてから店に行くべし。 店主に何を探してるのか聞かれて、答えられなければ、アウトだと思ったほうがよい。ロックならビートルズとか、キングクリムゾンとか、大雑把でかまわない。ねらいをはっきり持って店に行こう。

欲しい辺りのレコードが何枚かあったら、パッと決めること。スピード感は大切だ。 迷うようなら、店主に助言を求めてもよい。ただし、 せっかくの助言に逆らってはいけない。 あーのこーの言って、グズグズするのは絶対ダメ。

③値段のことで、うじうじ迷う態度を見せるのはよくない。 多少高いかなと思っても、迷わずスパッと買うべし。 老舗の専門店は高いのは当たり前。店の信用も値段のうち、と心得るべき。サイフには、多めにお金を用意していくこと。

店主が勧めてきたレコードは、積極的に購入すべし。はっきりした理由もなく断ると、もうその店とは縁がなくなると思ったほうがよい。 どうしても断りたければ、「それはすでに持ってるから」とか、「残念ながら、持ち合わせがない」と言って断るしかないが、同じ手は何度も使えないから注意すること。

お客さんに商品を勧めるようなことは、当店のような一般的中古レコード店ではほとんどない。しかし、老舗の専門店ではよくあることだ。 聴くべきレコードの相談に乗ってくれたり、選んでくれたりするのも、専門店だからこそできること。 活用しない手はないだろう。 ⑤ もし、店主がお茶やコーヒーを勧めてくれたら、ちゃんと応じること。そこで自分が欲しいレコードについて話をするのは、今後を考えるうえで有益である。 ただし、店主の好みや意見に異を唱えたりすることは、絶対にしてはいけない。この種の店主は、プライドが高く気難しいから、機嫌を損ねると二度といけなくなってしまう。(実際そういう人は多い)

以上の5項目が、初心者(以外の人も)が、老舗の専門店と上手く付き合っていくコツと注意事項である。心してほしい。

しかし中には、「なぜお客の側が、店に対して気を使わなければいけないのか?アベコベではないのか?」と反発する方も当然おられよう。だがこれには、 中古レコード店(他には、古書店、骨董屋なども同じ)は、古くて特殊な業界であり、一般的な店とは違う、 という説明で納得して頂くしかないだろう。(※過去の当ブログ記事を参照のこと)

❻まとめ。どこへ行っても好かれるような買い方を身に着けよう。
中古レコード収集を長く続けていこうとするなら、老舗の専門店の店主に好かれるか嫌われるかは、決して小さなことではないと思う。 実際に、アチコチの店から出入り禁止になったり、店に行くと店主からにらまれる、という人はけっこういる。へたをすると行く店がなくなり、中古レコード収集に支障をきたすことになってしまう。

先に 「レコード店で好かれる人は、すし屋でも好かれる」 と書いた。私見だが、ここでいう「イキな人」は、職場や周囲の仲間うちでも、やはり好かれる可能性が高いと思う。逆に中古レコード店で嫌われる人は、どこへ行っても嫌われているような気がする。 「一事が万事」という言葉があるが、つまらないことでこだわりを捨てられない人ほど、実際には損をしているのだと思ったほうがよい。

分かりやすく言うと、 小さなお金にこだわり、チケチしている人は、大きなお金に縁のない人だとも言える。 であれば、自らの現在の買い方を検証し、まずは、中古レコード店で店主に好かれるような買い方ができる人になってほしいと思う。そうすることで、周囲の人との人間関係も改善され、大きな運にも恵まれるようになるかもしれない。(了)

次回以降の掲載予定!
■谷村新司が亡くなり、谷村嫌いを公言していた松山千春は何を語ったか!
■没後5年!西城秀樹が今だに売れ続ける理由とは?
■一生、お金に困らない、お金の使い方、お金に対する考え方。
■中古レコード業界最前線!今、この業界はどうなっているのか!
※以上、順不同。次回は12月中旬の予定です。

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