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山下達郎は、なぜカラオケが嫌いなのか?
更 新:2023-09-29
テーマ:音楽、ミュージシャン
<目次>
❶山下達郎がラジオ番組で「カラオケ嫌い」を告白!
❷プロ歌手がカラオケを歌うことが、なぜいけないのか?
❸山下達郎の歌は、難しい。
❹山下達郎は、孤高の路線を直走る。
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❶山下達郎がラジオ番組で「カラオケ嫌い」を告白!
山下達郎が
カラオケ嫌いを公言してることは、ファンの方ならご存じだろう。私も以前、山下自身のラジオ番組の中で、その話を聞いたことがある。
正確に言うと、嫌いというより、プロの歌手がカラオケなんかを歌うべきではない、との主張だ。プロはお金をもらってお客さんの前で歌うことが仕事。それを仲間内とはいえ、カラオケで歌うのはおかしい。そんなことはプロのすることではないと、プロのカラオケをバッサリ切り捨てていた。
❷プロ歌手がカラオケを歌うことが、なぜいけないのか。
私も、プロのカラオケに強い違和感を持っていた一人だ。歌が好きで仲間内で楽しくやりたい気持ちはわかる。一旦マイクを握ったら離さないプロも多いという。だが、そういう安易な風潮を、山下は徹底して嫌う。
昔の剣豪にたとえてみる。
剣豪は、めったなことでは人前で剣を抜くことはない。剣を抜くときは、相手を切るときだ。やたらに人前で抜いてみせるのは、本当の剣豪とはいえない。あるいはまた、プロ野球の名選手が草野球チームに交じってプレイしてたら、どうだろう。たとえ余興だとしても、プロとしてはおかしい。
プロにはプロの「分」というものがある。プロが素人に混ざってカラオケに興じるようなことを、山下は厳しく戒めているのである。プロとしての自覚のなさ、プライドの欠如を痛烈に非難する。
➌山下達郎の歌は、難しい。
ところで山下達郎の歌は、なかなか難しい。普通の人が簡単に歌えるものではない。「ライド・オン・タイム」や「クリスマス・イヴ」などの名曲も、メロディーはわかりやすいが、うまく歌うのは至難の業だ。
難しい節回しもあるあの歌を、伸びのある声で楽々歌いこなせるのは、山下達郎がプロ中のプロだからこそできること。
ユーミン、小田和正、長渕剛の曲は、それほど難しくはない。普通の人でも練習すれば、何とかそれなりに歌えるだろう。(曲のクオリティーが低いと言っているのではない)物まね番組というものがあるが、アマチュアが彼らの物まねをしているのはそれほど珍しくはない。だが山下の歌真似は、プロでも簡単ではない。
山下達郎の音楽は、圧倒的な歌唱力とクオリティーの高さゆえ、容易に人を寄せ付けない。山下の大衆に妥協しない曲作りは、プロとしてのプライド、美学を感じさせる。山下がカラオケに嫌悪感を抱くのは、当然といえば当然のことなのだ。
❹山下達郎は、孤高の路線を直走る。
ところで、山下達郎の奥方である
竹内まりやのことである。同じJポップ(シティーポップ)であっても、竹内の曲は親しみやすく歌いやすい。大人から子供まで幅広く受け入れられている。ヒット曲も多い。
この親しみやすさが竹内まりやの個性であり、音楽的な意味で孤高の路線を直走る山下とは対照的のようにも見える。(誰もやってない音楽を引っ提げて登場してきたこと自体が、すでに孤高の存在証明である。そういう意味では、井上陽水、ユーミン、サザンなどはみなそうだ)
夫婦であり音楽的にもパートナーではあるものの、二人の音楽に対する考え方は必ずしも同じではないように思えるが、そんな中でも互いを認め合いながら、二人三脚で活動してきた。今後の活動も気になるところである(了)
次回以降の掲載予定!
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