中古レコード店店長の
経営ブログ

中古レコード、CDの買取や販売について、また日々の経営について、考えたこと、伝えたいこと、などいろいろ書いていきます。月に1~2回、更新していく予定です。

店を開業する資金はどう作る? 必死にやれば誰でもできる、 0円からの貯蓄術!

更 新:2024-08-03
テーマ:中古店の開業マニュアル


<目次>
❶店をやるには、開業資金が必要だ!
❷金のない人には、二段ロケット方式が確実だ!
❸為せば成る! 貯金大作戦、あの手この手。
❹「居酒屋ワタミ」の創業者、渡辺美樹氏の驚くべき貯蓄術!
❺開業資金は一気呵成につくれ!
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❶店をやるには、開業資金が必要だ!

事業の立ち上げのさい、最初にして最大の関門になるのは開業資金だ。 脱サラで店をやりたい人はごまんといるが、お金のつごうがつかなくて諦めてしまう人もまた多い。お金の壁はとてつもなく大きい。

開業資金は、自分で用意することが絶対の原則だ※。 親や親せきに出してもらうなどはもってのほか。そんな甘ちゃんは、店をやってもすぐにつぶれてしまう。したがって、自己資金を用意できるかどうかが勝負になるが、結構大変だ。人によっては何年もかかることになるだろう。

実は、自営業は、資金を作るというところからすでに始まってると言える。そしてその苦労の経験は、自分の経営力を大いに鍛えることにもなる。経験が自分の財産になるのである。 金が用意できるといよいよ本格的に事業がスタートするが、用意できなければ残念ながら予選敗退。諦めるしかない。

(※日本政策金融公庫などで融資をうけるにも、やはり自己資金が十分なければダメだ。融資はあくまでも予備の資金だと思ってほしい)

❷お金がない人には、二段ロケット方式が確実だ!

実は私も脱サラ前は、貯金がわずか30万しか持ってなかった。その私がその後の半年間で、100万まで貯めることができた。そして、最初の事業として立ち上げたのが学習塾だった。小さな個人塾は100万あれば開業できたからだ。

六年後、その学習塾をやって作ったお金が400万になった。今度はそれをもとでに現在の店の前身である古書店を立ち上げた。いま思えば、いつもギリギリの綱渡りのような感じだったが、よくぞ切れることなく続けてこれたと思う※。今回はその経験をもとに、開業資金をどう作ったらいいのかについて、詳しく書いていきたい。

(※サラリーマンの方にはピンとこないかもしれないが、 自営業者は金が切れたらオシマイなのだ

私の場合、もともとやりたかった古本屋の開業資金を用意するのはとても無理だったということがあった。そこで、開業資金が少なくてすむことと、たまたま何人かの学習塾の先生と縁があったこともあったことから、とりあえず学習塾で脱サラを果たしたのだ。私は学習軸がやりたかったわけでも向いていたわけでもなかった。ただ当時の私はどうにもサラリーマンが嫌でたまらず、もう限界にきていた。何でもいいから脱サラし、自分でやってみたいという思いが強かった。脱サラしたのは29歳6か月。30歳までに脱サラするという目標も何とか達成したかった。

本命の事業にいきなり入るのではなく、少ない資金で割と簡単にできる小さな事業から入る。若い人の場合、こんな感じの回り道的なやり方もいいのではないかと思う。 最初の事業で経営の基礎的な経験を積み、力をつけてから本命の事業に鞍替えする※。私はこれを勝手に「二段ロケット方式」といっている。ホップ、ステップ、ジャンプと、段階を踏むのである。

(※「学習塾と古本屋では、随分違うんじゃないのか。学習塾の経験がどうして古本屋で生かせるというのか?」と突っ込みたくなる人もいるかもしれないが、 さまざまな事業を展開するイーロン・マスク氏を見てわかるように、どんな事業であっても、経営の基礎になる部分は同じである。ある事業の経験は、他の事業でも役に立つと考えるべきだ。

資金がどうしても足りないという人は、二段ロケット方式のほうが確実かもしれない。(※ただし、人生の残り時間の限られている中高年向きではないことをお断りしておく)

❸為せば成る! 貯金大作戦、あの手この手。

学習塾は、開業資金は100万あればできると書いた。とはいえ、お金のほとんどない人にとっては100万でも大金だろう。脱サラの前年、当時、超安月給だった私の貯金額は30万程度しかなかった。しかし、30歳まで一年切ってあせっていた私は、何とかしなければと思い、貯蓄の作戦を立てたのだった。


★貯金大作戦①~➂

①同居している親に生活費を免除してもらう。
当時、私は親と同居していた時期だったが(家を出たり戻ってきたりだった)毎月渡していた生活費の支払いを一方的にやめてしまった。親は文句を言っていたが、強引に出世払いということにしてもらった。

➁会社の仕事のあと、家庭教師でバイトする。
学習塾の練習も兼ねて、中学生の家庭教師を始めた(最大3人)当時のことだから、会社には内緒にしなければいけない。残業のない会社だから、割と簡単にできた。

➂職場の同僚との無駄な付き合いは、いっさいやめる。 当時、日常的に職場の連中と仕事の帰りに飲み食いなどのダラダラした付き合いをしていた私だが、貯金をするという理由で付き合いを全部断った。周囲の人はみな困惑していたが、しかたがない。もちろん、脱サラのことは一切口にしなかった。

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以上の貯金作戦により、毎月10万前後の貯金ができ、何とか期限までにピッタリ100万円の資金を作ることができた。やればできるものだ。

ずいぶん、強引で無茶苦茶のようにみえるかもしれない。だが自営業をやる以上、これぐらいは当然、できなければいけない。自分の全財産、全人生を賭けるのだから。

ところで、今、こういうことができる若い人は、はたしてどのくらいいるだろうか。どうも気になる。

たとえば、日常な付き合いをすべて絶つのは、日本人としては、なかなかできないかもしれない。 しかし、大きく自分の人生を転回させたいのなら、ここが勝負と、自ら退路を断って為すべきことを為す覚悟をしなければならないだろう。 付き合いをやめると言っても一時のことだ。本当に縁のある人なら、協力もしてくれるだろうし、その後の関係も続くはずだ。

❹「居酒屋ワタミ」の創業者、渡辺美樹氏の驚くべき貯蓄術!

居酒屋チェーン「ワタミ」の経営者、渡辺美樹氏 の話は、これから資金を作る人の参考になるだろう。 氏は若い時、佐川急便で一年間働き、300万作ったというのは有名な話だ※。住まいを借りず、トラックで寝泊まりしながら、長時間勤務をこなしていた 、というのだから本当に驚きだ。根性とか努力なしには、創業は為し得ないなあ、とつくづく思わされる。

(※渡辺美樹氏については、 小説『青年社長』(作・高杉良) に詳しい)

❺開業資金は一気呵成につくれ!

開業資金を作るところからすでに自営業は始まっていると、先に述べた。 貯蓄のない人は、まず、自分の生活を大きく変える必要があるだろう。 ところで、現状の生活をできるだけ変えずに、少しずつ無理なく貯金したい、という人の方が多いかもしれない。だがそういう人が自分の店を開業できる日はおそらく来ないのではないか。成功してる自営業者は、みな短気だ。のんびりした人が、自営業を切り盛りできるなど、ありえない。

開業資金をつくるコツは、苦しくとも一気呵成につくることである。

50万~100万程度なら、半年から一年、我慢すればよい。ただ、人間の集中力には限度がある。我慢できるのは、せいぜい2~3年ぐらいまで。だからこそ、しっかりと計画を立て、短期集中的に取り組む必要がある。もし期限までに開業資金を作れたら、開業後の経営についても、半分は成功したようなものだ。(了)


次回以降の掲載予定!
■出張買取にいったら、ヤクザの家だった! 反社勢力にはどう対応したらいいのか。
■一生、お金に困らない、お金の稼ぎ方・使い方の王道とは?
■経営の直観をどう磨くか!
※以上順不同。月1~2回の更新です。

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