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中古レコード、CDの買取や販売について、また日々の経営について、考えたこと、伝えたいこと、などいろいろ書いていきます。月に1~2回、更新していく予定です。

中古レコードのノイズは、水で洗って取る!

更 新:2021-12-06
テーマ:聴き方・選び方・買い方

中古レコード店のノイズへの対応とノイズの取り方について



■目視だけの検盤でノイズはチェックしない店もある

ここ北海道では、盤状態の判定にノイズも含めるのが一般的だが、本州では目視のみという店も多いと聞く。

一つは「梅雨」などの影響で、レコード盤にカビが発生しやすく、チリノイズ(チリパチいうノイズ)は当たり前のことで、しかたがないことだと受け止められている、ということ。 もう一つは、ノイズチェックはめんどうで、経費(バイト代など)が余計にかかる、という現実的な理由からだ。

当店のあるお客さんだが、本州のクラシック専門店から通販で古いクラシックレコードを買ったという。
状態は「A」だったから購入したのだが、かけてみると「バチッ!バチッ!バチッ!」っと耳が壊れんばかりの物凄いノイズが出た。
50年代などの本当に古い盤は、演奏の音がかき消されるほどの大きなノイズが出ることがある。

とても聞くに堪えないということで、すぐに返品を申し出たが、店はダメだと言う。
その店では、キズや盤反りなどがなければ「A」なわけで、「ノイズは関係ない」という考えだ。


つまり、 「ノイズは古いレコードには付き物であり、それもレコードの味わいの一うだ」という理屈である。

そのお客さんは最終的には、これではとても演奏を聴くどころではないと強く主張。 何とか返品に応じてもらったようだが、本州の初めての店、あるいはネットオークションなどで購入する場合は、特に注意が必要だろう。

ただし、店にはそれぞれの考え、経営方針があっていいわけだし、それはそれで尊重しなければ、とも思う。
だから、私はその店の考え方を、必ずしも否定するつもりはない。


しかし、お客さんとしては、初めての店で購入するといった場合、盤状態の判定の中にノイズが含まれるのかどうかについて、しっかりチェックする必要はあると思う。

■一口にノイズといっても、いろいろある

一番多いのは、レコードの溝に詰まっている、ホコリやカビ(ダスト)が原因のチリパチいうノイズで、これは水洗いすることで除去でき、クリアな音を復元することができる。

他には、溝が傷んだ盤のノイズや、昔よく使われた静電気除去スプレーが経年変化で溝にこびりついてできたノイズなどがあるが、水で洗っても取れることはない。

だから、ノイズが取れるかどうかは、実際に洗ってみないとわからない。
私の経験だと、70%ぐらいはダストによるノイズで、ほぼクリアになるか、そこまでいかなくともかなり軽減されるはずだから、ノイズが気になるようなら試してみるべきだ。


水洗いについては、音にこだわるジャズ、クラシックのベテランコレクターは、いろいろ勉強しており、わりと知っているが、ロックやソウル、歌謡曲などのお客さんは、あまり関心がないのか、知っている人はほとんどいない。

■洗浄液や洗浄機というのがある。
レコード盤を洗う洗浄液というのが市販されている。
成分が何かはわからないが、使っている人はめったにいないところを見ると、高い割には、たいしたことはないのではないか。
私は使ってないから断言はできないが、
おそらく盤面をきれいに保つのにはいいのかもしれないが、今あるノイズが取れるというものではなさそうである。

洗浄機のほうは、当店周辺でも使用している店も複数あり、ある程度の効果は期待できそうである。
ただしこれも絶対的なものではなさそうだ。


例えば、服の落ちにくいシミや汚れは、洗濯機で洗うより、手もみのほうがよく落ちるが、それと同じことではないだろうか。
もちろん機械のほうが作業が樂だから、業務用として店が使うのはいいとは思うが、個人で使っているというお客さんには、まだ出会ったことはない。


■水洗いの方法
水洗いは、次の手順でおこなう。

①皿を洗うようにレコードを台所洗剤で洗う。  使用する布は、硬いとレコードを痛めるから注意。

②溝の中のぬれてふやけたダストが乾かないうちに、強い針圧でレコードをかける。  
 1回より2~3回やったほうがいい。溝に針を通すことで、溝の奥のダストをかきだし、きれいにする。


③最後にかきだしたダストを軽くふき取って作業終了。
④ノイズが充分取れなかった場合は、再度繰り返す。 また、針圧をもっと強くする。

この方法で全くノイズが軽減されていなければ、ダストではなく別の原因であり、水洗いで取れることはないからあきらめたほうがよさそうだ。


エコストアレコードや、その他のサイトで、「ボンドパック」という方法があることを発見!
これは盤麺全体に木工用ボンドを塗り、乾いたところをパックのようにはがしてノイズを取る、という画期的なやり方だ!

興味のある方は、ぜひご覧頂きたい。

■まとめ
水洗いは、音にうるさいジャズ・クラシックのベテランコレクターが長年実践してきた基本技術である。
中には、ノイズの有無にかかわらず購入した中古レコードは必ず洗う、という人までいる。

今後も長く中古レコードを聴いていこうという人は、ぜひマスターしてほしいと思う。
店で購入のさい、キズ、ノイズなどを必要以上に気にする人が多いが、こういう人に修繕作業の事を知っているかと聞いてみると、案外知らない人が多く、いつも残念に思っている。
今はネットでいくらでも情報はとれるので、水洗いや最新のボンドパックも含め、いろいろな方法を積極的に試してほしい。



■次回以降の掲載予定
■中古レコード店の店主は、こだわりの強いガンコな職人気質?(12月下旬予定)
■高く売りたい人のための、マナー講座
■当店がネット通販をしなくても、何とか営業を続けてこられた理由

※以上、月2回更新予定

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