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中古レコード、CDの買取や販売について、また日々の経営について、考えたこと、伝えたいこと、などいろいろ書いていきます。月に1~2回、更新していく予定です。

2024年、中古レコード業界はどうなるか!

更 新:2024-01-31
テーマ:中古レコード店の経営

コロナ危機が終息し、外国人観光客が戻ってくる一方、コロナ危機前から続く、中古レコードの買い入れ不足がさらに深刻化。2024年、揺れる中古レコード業界を大胆に予測する!


<目次>
❶日本の中古レコードは、海外では大人気!
❷円安により、外国人客の爆買い増加?
❸店の買い入れ不足は深刻!中古レコードの争奪戦争勃発か。
❹価格高騰で、おいて行かれる日本のレコードファン。
_____________


❶日本のレコードは、海外では大人気!
長年のレコードファンならご存知だと思うが、 近年、日本のレコード、特に帯付きの価格が大幅に上昇している。とくにロックが著しい。 15年ぐらい前なら1000円ぐらいだったものが、今では3000円以上になっていることも珍しくはない。 平均で倍ぐらいになった感じだ。

なぜ、こうなったのか。 近年、日本盤の中古レコードが海外で人気がでてきている。そのため価格も値上がりしたことが原因だ。世界の中古レコード市場では、まさに日本盤がブームになっている。 ではなぜ、日本の中古レコードが世界で人気なのか。

一つ目の理由は、 日本製のレコードは、つくりがいいということだ。盤質、ジャケット、ともに品質が良い。さらには、歌詞カードやきれいな帯も付いている。 メイドインジャパンは、やはりイイネ!というわけだ。 特にこの「帯」は、非常に価値が高い。 たとえば、ビートルズのレコードは、当時、欧米はじめ世界中で製造されていた。しかし、帯が付いているのは、日本盤だけだ。盤もいいし帯もついている。特に貴重な帯付きレコードは、多少高いお金を出しても欲しいというコレクターは、世界中にいるだろう。(※ちなみに「帯」は、海外でも「オビ」で通用する)

二つ目は、 日本のシティポップが、すでにブームになっていることもあるが、Jポップ全体も徐々に欧米でも注目されてきているということある。それが、日本のレコード人気に結びついていると考えられる。 日本の音楽は、かつては、アジアでは人気だったものの、欧米ではあまり知られていなかった。ところが近年は、事情がかなり変わってきているのである。

❷円安により、外国人客の爆買い増加?
こうした海外での日本レコードブームを受け、 近年、爆買いする外国人客が多くなった。 彼らは、安いレコードを買おうか買うまいか迷っている日本人を横目に、高価なレコードをドンドン買っていく。中には、向こうでレコード商売をしている人もいて、ダンボール箱で5箱とか10箱とか買っていく場合もある。いわゆる爆買いである。こういう箱で買うお客さんが年に何人かは来る。1回で売り上げが、多いときで何十万にもなることもあるぐらいだから、バカにならない。 日本人客が減ってきたことで先細りしつつある中古レコード店のこの10年間の経営は、爆買いする外国人によって、なんとか支えられきた。外国人客の動向は、まさに中古レコード店経営を左右していると言っていいのである。

さて、2024年だが、 コロナ危機もすっかり収束、なおかつ円安の影響もある。今年はさらに外国人客が増えるだろうと思われるが、はたしてどうか。

❸店の買い入れ不足は深刻!中古レコード争奪戦争勃発か。
爆買い外国人が増えることは、店にとってはうれしいことだ。 以前の売り上げの中心は、団塊世代のお客さんだった。今やその世代は、ほぼリタイア。先細りする中古レコード経営と書いたのは、こういうことだった。それを穴埋めしてきたのが外国人だ。 たしかに近年、若いお客さんも増えてはいるものの、外国人による売り上げはやはり大きい。店としては、これで回ってくれればよいのだが。

しかし、ここにきて大きな問題が出てきた。それは最近、買い入れが極度に少なくなってきたことだ。 これは、我々中古レコード店にとっては、死活問題である。もし、買い入れの状況が以前のようにとあれば、経営に困ることはない。それがコロナ後は、サッパリなのだ。

なぜこうなるのか。石油や石炭と同じで、レコードも掘りつくされたらなくなってくる。そして今、その過程にある。しかも、最近は本州の業者が、札幌にネットなどを通じて買取攻勢をかけてくる。そのために札幌の店の買取がなくなってしまうのである。これは、本当に頭にくる!東京の業者は関東で、大阪の業者は関西で商売をすればいいだろう。札幌まで買取の手を伸ばしてくるとは言語道断だ!

実は以前から関東、関西は、掘りつくされてモノがない、という話は聞いていた。いよいよもって、札幌がヤツらのターゲット、餌食にされてしまったということか。このままモノ不足の状態が続くのなら、やってはいけない。札幌の中古レコード店は、全滅しかねない。ウーム、困ったものだ。何かいい知恵はないものか・・・。

❹価格高騰で、おいて行かれる日本のレコードファン。
とにかく、 世界的なアナログブームの中にありつつも、レコード争奪戦から極度のモノ不足となり、苦しい経営のかじ取りを強いられている、というのが今の札幌の中古レコード店の状況だ。 少ないレコード在庫でやり繰りするため、店としては価格は上げざるを得なくなる。結果として、高価格についていけなくなってしまうお客さんも少なからずいると思う。

つまり、 今後、普通の地元レコードファンは、ますますレコード市場からおいて行かれてしまうことになるだろう。 実際、当店でも、たくさん買うお客さんは外国人か、本州などの遠方のお客さん、業者関係者がほとんどだ。以前は、レコードはCDより安く買えるから、という理由で購入するお客さんが多かった。残念ながら今は、地元の普通のお客さんには、遠いものとなってしまったようだ。(了)

次回以降の掲載予定!
■没後5年!西城秀樹が今だに売れ続ける理由とは?
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■中古レコードのコレクション整理のイロハとは?
※以上順不同。月1~2回の更新です。

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